「総務省への要望書の提出に関する規定」案は否決!(2019年9月JARL理事会詳報)

2019年28日(土)及び29日(日)に開催されたJARL理事会の「報告」がJARLウェブサイトで公表されました。

https://www.jarl.com/Page/Login/Login.aspx?Url=rijikai/47rijikai.pdf
(JARL会員のみ閲覧可)

しかしこの「報告」は、理事会の同意を受けておらず、議事の内容が正しく記載されていません。そこで、有志理事からの正確かつ詳細な内容をご報告します。

1 「第46回理事会 不成立」の意味

今回の理事会は「第47回理事会」とされ、JARLウェブサイトに、「第46回理事会 不成立」と明記されました。これは、2019年6月23日の第8回定時社員総会後に種村理事により招集され、髙尾会長ほか9名の理事が参加しなかったため定足数を満たさず不成立になった臨時理事会を、「第46回」とすることになったためです。

今次社員総会前に17名の有志社員から、髙尾会長及び日野岳専務理事の解任動議が出されました。そこで種村理事は、もし議案が可決された場合には会長不在という最悪の事態を避けるために、また議案が否決された場合も総会後の連盟の運営について協議する必要があると考え、会長に臨時理事会の招集を要請しましたが、これに対して高尾会長が5日以内に招集の通知を発しなかったために、定款第45条第3項に基づき種村理事が招集したものです。事務局から、第46回臨時理事会として正式な招集通知が発せられています。

社員総会の後、髙尾会長、日野岳専務理事を含む9名の理事は、定款に基づき正式なものとして招集された理事会であるにも関わらず、また、社員総会の直後であり出席できない理由はなかったにも関わらず、予定されていた場所に現れず、臨時理事会は不成立となりました。

髙尾会長・日野岳専務理事は、この臨時理事会自体なかったものとして処理しようとしましたが、今回の理事会で、大矢理事から、第46回理事会は2019年6月23日にすでに招集されており、今回の理事会を第46回と呼ぶことは、理事会規定第3条(招集)「理事会は、定例理事会と臨時理事会とし、区別することなく一連の延べ番号を持って呼称する。」に違反するという指摘がなされ、今回の理事会は「第47回理事会」とすることになりました。

2 ハムフェア2020

2019年6月の社員総会の直前に開催された第45回理事会において、日野岳専務理事から「ハムフェア2020はオリンピックの影響で会場を確保できないので中止する。」との一方的な報告があり、他の理事から異議が述べられ、次回の理事会で審議事項として審議されることになっていました(すでにこの記事でご報告したとおり、JARLウェブサイトに掲載されている「第45回理事会報告」の記載は正確ではありません。)。その後、アマチュア無線家らから現執行部への強い批判もあり、現執行部は、ハムフェア2020中止の転換を試み、東京ビッグサイト以外の場所での開催を模索していたようですが、今回の理事会の直前に、ビッグサイト側から、たまたま10月31日・11月1日のキャンセルが出たとの連絡があり、同日同場所での開催に何とかこぎ着けたというのが実態です

有志理事としては、ハムフェア2020が開催できることになったことは大変喜ばしいものの、キャンセルという幸運による結果論であり、2年前から判っていたことに適切に対応できなかった現執行部(髙尾会長及び日野岳専務理事)の準備不足の責任は免れないと考えています。

3 大矢理事からの5つの提案について

今回の理事会に、大矢理事より、以下の5つの決議案が提出され、有志理事7名は、これらの議題について基本的に賛成していたことは、既報のとおりです。

(1) 総務省への要望書の提出に関する規定の制定について(案)
(2) 諸外国のアマチュア局免許制度において、アマチュア局を免許する際に当該アマチュア局の無線設備における技術基準適合の確認・証明の有無に関する調査の実施に関する決議(案)
(3) 入会者及び退会者等の分析調査の実施に関する決議(案)
(4) 2020年度のアマチュア無線フェスティバル ハムフェア開催に関する決議(案)
(5) 無線局免許状の備付け場所に関する電波法施行規則第38条第3項の規定の改正についての決議(案)

このうち、(4)はハムフェア2020の開催が決まったため取り下げられ、(2)及び(3)は、今回の理事会において全会一致で可決されました。しかし、(1)は否決され、(5)は可決されたものの僅差でした

本来、各理事は、理事会において責任をもって議決権を行使し、その賛否は議事録において公表されるべきですが、「理事会報告」にはそれが記載されていません。各理事の具体的な賛否は以下のとおりでした(社員総会前後の行動も含め一覧表にします。)。

  有志社員の
質問状への回答
第46回
理事会
(1)総務省への
要望書議案
(5)局免状持ち歩きを
可とする議案
髙尾会長(全国) なし 欠席 反対 反対
森田副会長(四国) なし 欠席 反対 反対
原副会長(全国) なし 欠席 反対 反対
日野岳専務(推薦) なし 欠席 反対 反対
島田理事(関東) なし 欠席 反対 反対
尾形理事(東北) なし 欠席 反対 反対
正村理事(北海道) なし 欠席 反対 反対
髙橋理事(信越) あり 欠席 反対 賛成
渡邉理事(九州) なし 欠席 欠席 欠席
         
大矢理事(推薦) あり 出席 賛成 賛成
         
種村理事(全国) あり 出席 賛成 賛成
吉沼理事(全国) あり 出席 欠席(賛成) 欠席(賛成)
木村理事(東海) あり 出席 賛成 賛成
安孫子理事(全国) あり 出席 賛成 賛成
田中理事(関西) あり 出席 賛成 賛成
綱島理事(中国) あり 出席 賛成 賛成
前川理事(北陸) あり 出席 賛成 賛成

 

4 有志理事による総括

有志理事7名は、今回の理事会で、特に、「総務省への要望書の定期的提出に関する規定(案)」(7月時点での原案はこちら)が否決されてしまったことに、深く失望しています。

JARLは、日本のアマチュア無線家の利益を代表する団体として、その意見を広く聴取し、制度に関する要望としてとりまとめ、総務省ほかアマチュア無線に関する行政当局に対し、粘り強く「アマチュア無線に関する建議」(定款第4条(5))を行う使命を負っています。「総務省への要望書の定期的提出に関する規定(案)」は、JARLに課せられたこの最も重要な使命を具体化する素晴らしいものでした。特に、

① 原則として1年に1回定期的に総務省に要望書を提出すること、
② 要望書の内容は理事会の決議をもって決定すること、
③ 提出した要望書は一般に公開すること

を含む点に大きな意味があり、当然、可決され、実行に移されるべきものでした。有志理事は、これに賛成するとともに、「要望書作成にあたっては、広く一般会員の意見をきくこと」を追加するよう、意見を述べました。

これに対し、高尾会長らは、今回の理事会の直前である2019年9月18日に、総務省に対し、「アマチュア無線業務に関する規制緩和等の要望」と題する書面を提出したことを報告し、「規則がなくても要望は出せる」として、規則化に反対しました。しかし、今回提出された上記書面の内容は、大矢理事の議案に「想定される要望項目例」として挙げられていた事項をほぼそのまま書き写したものであります。(しかも、当該書面を9月18日に総務省に提出することについて、事前に大矢理事には知らせていなかったとのことです。)この現状を見ると、現執行部が、オリジナルで実現可能性のある要望案を作成できるとは考えにくいように思われます

2019年9月9日、総務省は、「周波数再編アクションプラン(令和元年度改訂版)」を公表し、「1.8/1.9MHz帯」及び「3.5/3.8MHz帯」におけるバンドプラン等の見直しの可能性について、今年度中に検討を開始することを公表しました。JARLとしては、両バンドの現実の利用状況(海外の非常用周波数との整合性、デジタルモードの周波数等)を踏まえつつ、日本のアマチュア無線家の意見を広く聞きながら、当局に対し適切に働きかけていく必要があります。まさにローバンドの拡大にとって千載一遇のチャンスであり、重大な局面にさしかかっています。しかし、現執行部は、上記アクションプランに対し「今回の課題としては取り上げられておりませんが、・・・3.5/3.8MHz 帯につきましても、是非、周波数帯の拡大についてご検討いただきたくお願いいたします。」といった周回遅れのパブコメしか提出できておらず、果たして、当局に対し適切かつ機動的に対応できるか、大きな不安があります。

今回の理事会で、日野岳専務理事は、JARLは過去10年間一度も、当局に対し書面による要望を提出していなかったことを認めています。規則がなければ、また再び、何の要望も行わないJARLに戻ってしまうことが危惧されます。

なお、第47回理事会の前に、綱島理事は、大矢理事の5提案に対する有志理事の意見を集約した文書を提出し、その提案に沿って有志理事による趣旨説明を求めておりましたが、遺憾ながらこの意見書は理事会において配布もされず、議長(髙尾会長)はこの意見書に触れることはありませんでした。たまりかねて、綱島理事が挙手により2つの項目について発言を求め、大矢理事の提案に有志一同の賛成の意見を述べました。理事が理事会に提出した意見書を議長が握りつぶすなどあってはならないことです。

賢明なる会員の皆様におかれましては、今回の理事会における各理事の投票行動を、2020年4月に行われるJARL選挙において投票先を検討する際の考慮要素にしていただければ有り難く存じます。

有志理事7名

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2019年9月28・29日のJARL理事会について

2019年28日(土)及び29日(日)に開催されたJARL理事会では、いくつかの重要な決定がなされました。

そのうち、6月の理事会で執行部からは「中止」と報告されていた2020年のハムフェアについては、大矢理事及び有志理事7名が中止を問題視したことを受け、方針が転換され、すでに公式発表されているとおり、2020年10月31日(土)・11月1日(日)に東京ビッグサイト西展示棟西3・4ホールで開催されることが決まりました。

その他の議事については、近々、JARLから正式な理事会報告が公開されるはずですので、それを待つこととします。有志理事としては、議事の内容を正確に反映した報告が公開されることを期待します。

(2019-09-30 記)

2019年9月28・29日のJARL理事会での決議案は5つ

2019年9月28日(土)29日(日)に、6月の社員総会後初めてのJARL理事会が開催されます。

大矢理事が11個の決議案を公表されたことは既報のとおりですが、有志理事によれば、2019年9月の理事会では、そのうち以下の5個の決議案が審議されるとのことです。

(1) 総務省への要望書の提出に関する規定の制定について(案)
(2) 諸外国のアマチュア局免許制度において、アマチュア局を免許する際に当該アマチュア局の無線設備における技術基準適合の確認・証明の有無に関する調査の実施に関する決議(案)
(3) 入会者及び退会者等の分析調査の実施に関する決議(案)
(4) 2020 年度のアマチュア無線フェスティバル ハムフェア開催に関する決議(案)
(5) 無線局免許状の備付け場所に関する電波法施行規則第38 条第3 項の規定の改正についての決議(案)

ご参考までに、2019年7月に公表された決議案はこちらに掲載されています。今回2019年9月の理事会に正式提出された決議案は、7月の原案から多少変更されているようです。

有志理事7名が、有志社員・正員とともに、これらの議題について基本的に賛成するとの意見書をJARL理事会に提出したことは、既報のとおりです。これで、少なくとも8名の理事が、上記の決議案に賛成される見込みです。

残り9名のJARL理事は、これらの議題に対する賛否・ご意見を未だ表明されていないようです。私たちJARL有志は、残り9名のJARL理事がどのような姿勢を採られるのか、注目しています。

大矢理事からJARL理事会に提案される予定の決議案に対し有志29名から意見書を提出しました。

2019年7月20日の記事「【重要】大矢理事からJARL理事会に11個の決議案が提出されました。」の続報です。

まず、大矢理事のご提案について、私たちに対し10名以上もの多数の方がご意見をくださいました。このご意見はすべて、大矢理事にお伝えしました。

また、2019年9月28日及び29日の週末に、JARL理事会が開催されますので、それに先立ち、有志29名の連名で、JARL理事会に対し大矢理事のご提案についての意見書を提出しました。その内容は下記のとおりです。

9月28日29日の理事会で、大矢理事のご提案のうちいくつが議論されるかわかりませんが、アマチュア無線界の将来に向けた有意義な議論がなされることを期待しています。

JI1DWB大矢浩理事のご提案に関する意見

【議案1 総務省への要望書の提出に関する規定の制定について(案)】

賛成である。JARLのもっとも重要な責務は、「我が国における唯一のアマチュア局免許人の代表として、免許制度の改善を促していくこと」であり、このことこそ、アマチュア無線家がもっとも強くJARLに期待している役割である。有志に寄せられた意見の中には、「故JA1AN原会長以来、JARLが提案して大幅な電波法(通達まで含む)改正が行われた事実がありません」との指摘もあった。JARLがこの責務を果たさずに会員増強を訴えても空虚といわざるを得ない。
想定される要望項目例として、以下の事項を追加することをお願いしたい。

1 免許制度の簡素化

(4)工事設計書中「附属装置の諸元」は包括的な記載を可とすること
(趣旨・理由)
(1)にあるように、「無線設備の外部端子に接続する附属装置に関する情報」の記載の省略が実現できれば望ましいが、過渡的な策として「附属装置の諸元」を包括的に記載することを認めていただきたい。
昨今、デジタルモードが急速に発展しており、JT65、FT8といったPCを利用した新しいモードが度々登場しているが、現状では、「附属装置の諸元」として、「RTTY発生装置」、「JT65発生装置」、「FT8発生装置」、「SSTV発生装置」、「FAX発生装置」等の「名称」を掲げた上で、それぞれの「方式・規格等」を細かく記載することが求められている。
しかし、その記載は複雑で、定説もないため、個々のアマチュアがインターネット上の情報を利用して見よう見まねで記載している例も多く、総通に無用な負担をかけている。
そこで、「附属装置の諸元」は包括的な記載を可とすること、例えば、「コンピュータ変調装置」といった「名称」を掲げた上で、「方式・規格等」としては、「一般に広く提供されるソフトウェアを用い、電波法第三章の無線設備の基準を満たす」といった包括的な記載を可としていただきたい。包括的な記載を可とすれば、これらに関する変更届は不要となり、アマチュア局による変更届が総通に大量に提出され、総通・アマチュア局双方にとって過度の負担になっている現状を大幅に改善できるはずである。また、このような対応は、法令・審査基準の改正を必要とせず、運用の改善で実現できるものと思われる。
なお、JARLとしては、各種デジタルモードの分析・研究を進め、アマチュア無線界に必要な情報を提供し、法令違反ができるだけ発生しないよう努めるべきである。

(5)公衆網に接続された3台以上のレピーター局間の通信をみとめること
(趣旨・理由)
現状、電波法関係審査基準の「別紙1 無線局の局種別審査基準」「第15 アマチュア局」「16 レピーター局」の(2)ただし書きに「二のレピーター局を連続的に介して中継回線を構成することができる」場合として、「イ 公衆網に接続することによって一体として構成される二のレピーター局に係る中継を行う場合」が定められている。そのため、我が国においては、3台以上のレピーター局をインターネットで接続させることはできないと解釈されている。
他方、日本国外においては、D-STARの分野において、リフレクタと呼ばれる中継サーバーを介して3台以上のレピーター局を接続させることによる通信が普及している。しかし、日本のレピーター局はこれに対応していないために、D-STARは日本発の技術であるにもかかわらず、日本のレピーター局は世界から孤立している状況にある。また、WIRESでは、複数のレピーター局を接続させる機能をもともと有しているが、電波法関連審査基準の上記規定があることを一つの理由として、我が国でWIRES方式のレピーター局が設置された例はない。公衆網に接続された3台以上のレピーター局間の通信を認めない理由は特にないと思われるので、規制の緩和をぜひお願いしたい。

(6)一のアマチュア局に指定された複数の送受信機間の通信を許すこと
(趣旨・理由)
現状、WIRESまたはD-STARにおいて、インターネットに接続された「ホットスポット」ないし「ノード局」と呼ばれる送受信機(A)を自宅等に設置し、近傍に持ち出した別の送受信機(B)から送受信機(A)にアクセスして、インターネットを通じて遠隔地と交信することが行われている。しかし、「一のアマチュア局に指定された複数の送受信機間の通信は許されない」との解釈を前提として、送受信機(A)の局免許と送受信機(B)の局免許は異なるものでなければならないと扱われており、その結果、送受信機(A)のために新たに社団局を開設する等の負担が生じている。
「一のアマチュア局に指定された複数の送受信機間の通信は許されない」との解釈の法令上の根拠は必ずしも明らかではなく、また諸外国にも見られない取り扱いである(諸外国では、ホットスポットには、むしろ自局のコールサインを設定せよとする例の方が多いようである。)。あまり実益のある取り扱いとは思われないので、「ホットスポット」ないし「ノード局」のための別の局免許を不要とすべく、一のアマチュア局に指定された複数の送受信機間の通信は許されることを明確にしていただきたい。
なお、送受信機(A)に対する監視が手薄になることが懸念されるのであれば、電波法関係審査基準の「別紙1 無線局の局種別審査基準」「第15 アマチュア局」「27 遠隔操作」の規制を準用すれば足りると思われる。

(7)設備共用の要件を緩和すること
(趣旨・理由)
現状、電波法関係審査基準の「別紙1 無線局の局種別審査基準」「第15 アマチュア局」「19 設備共用」において、設備共用が認められる諸要件が定められているが、緩和をお願いしたい。
例えば、「固定する局と移動する局の設備共用は認めない」とされているために、50W以下の無線機にリニアアンプを接続して100Wを超える出力を得ようとすると、固定局とせざるをえず、無線機本体のみを設置場所から持ち出すことができないとの負担が生じている。固定局と移動局の間の設備共用を認めても特に実害はなく、合理的な理由のない負担と思われるので、この要件の撤廃をご検討いただきたい。
また、設備共用は、常置場所が同一であることが要求されているため、例えば社団局とその構成員間での設備共用や、友人同士での設備共用が難しくなっている。これらのケースにおいて、設備共用を認めても特に実害はないと思われる。無線機の販売台数が減少するのではないかとの懸念が考えられるが、しばらく試みに使用した後、必要となれば自前で購入するのであって、むしろ宣伝効果が期待できるし、このような無線機の使用形態が認められている諸外国で、そのことを理由に無線機の販売台数に悪影響があるとの論調はみられない。そこで、この要件の撤廃をご検討いただきたい。

【議案2 諸外国のアマチュア局免許制度において、アマチュア局を免許する際に当該アマチュア局の無線設備における技術基準適合の確認・証明の有無に関する調査の実施に関する決議(案)】

賛成である。電波に関する規制は、免許制度を中核とした「事前規制」と、監視監督を中核とした「事後規制」の両輪により成り立っているところ、我が国においては、免許取得・変更の際の書面審査は相当厳重に行われている一方で、アマチュアバンド内での無免許局の横行(特に平日の144MHz/430MHz帯)に対する取り締まりは追いついていない。つまり、我が国の電波規制は「事後規制」ではなく「事前規制」に偏りすぎており、効率的でない。
アマチュア無線界として、「事前規制」の緩和を希望する以上は、「事後規制」を補完する「免許人自己責任」の徹底、具体的には、無線趣味を持つすべての人に対する啓蒙活動、あまちゅあがいだんす局の活用といった自己規制を、JARLとしてもさらに強化する姿勢を示すことが必要である。それとともに、諸外国の制度について調査を行い、規制当局に対する働きかけに説得力を持たせる必要がある。

【議案3 入会者及び退会者等の分析調査の実施に関する決議について(案)】

賛成である。アマチュア無線は通信の相手方がいなければ成り立たない趣味であり、後継者を育てることが必要である。その策を練るためには、アマチュア無線界に入る人・アマチュア無線界から去る人の属性を分析することが不可欠である。そこで、アマチュア無線界の中核を構成するJARLの新規入会者・退会者の内訳を調査・分析するとともに、より広く、新規四アマ取得者の属性の調査・分析をお願いしたい。

【議案4 2020 年度のアマチュア無線フェスティバル ハムフェア開催に関する決議(案)】

賛成である。遅きに失しているといわざるを得ないが、ハムフェア2020の実現に向けて、早急に検討を進めていただきたい。

【議案5 委員会への諮問及び委員会からの答申の適正化を図るための理事会規定及び委員会の設置及び運用に関する規程の改正について(案)】

賛成である。委員会は理事会を補佐するために置かれるものであるにも関わらず、その人前・運営実態は、会員はおろか理事会にも十分に開示されておらず、極めて不透明である。
委員会によっては、予算措置を含めJARLとしての意思決定の一部を実質的に行ったり、所管事項以外の事項を検討したりしているように見受けられる。このことは、例年の赤字決算の原因の一つと思われ、極めて不適切であり、違法の疑いさえある。
このような現状を是正するために、理事会と委員会の関係を正常化させ、委員会の報告・情報開示を積極的に進めていただきたい。
なお、委員会によっては人材が足りず、委員長または極めて少数の委員により運営されているものもあるようである。自薦・他薦によるJARL会員の参加を積極的にご検討いただきたい。

【議案6 理事会規定の改正について(案)】

賛成である。すべての理事が理事会に議案を提案できること、議長の独断によらない活発な審議がなされること、すべての理事が議事録の内容をチェックすることといったごく基本的なことが、残念ながらJARLの理事会では守られていない。そこで、これらの事項を理事会規定に明記すべきである。

【議案7 (ご検討中)】

 

【議案8 無線局免許状の備付け場所に関する電波法施行規則第38 条第3 項の規定の改正についての決議(案)】

無線局免許状の携帯を義務づけることはアマチュア局に負担になるとの意見が有志に寄せられた。議案8の趣旨は、無線局免許状を常置場所に備え付けるか運用場所に持参するかを免許人が選択できるようにするもので、携帯を義務づけるものではないことを確認させていただきたい。その前提であれば、免許人の自由度を増す方向での改正であり、賛成する。
 なお、あわせて、無線局免許状の位置づけについて、警察等官憲への積極的な啓蒙活動も併せてご検討いただきたい。

【議案9 社員総会議事運営規程の改正に関する決議(案)】

提案された改正案のうち、第13条の2(理事及び監事の説明義務)については賛成である。
第14条(質問及び意見)のうち準備書面については、社員にさえ当日まで配布されず、事前の検討ができない。一般会員にとっても、社員総会の基礎資料としての準備書面は重要であるが、現状、一般会員に対しては開示すらされていない。
なお、第8回社員総会において、社員が提出した準備書面の内容が事務局により無断で改変されたとの事案が発生したが、あってはならないことである。
そこで、改正案第2項の次に、下記の第3項を追加し、第3項以下を繰り下げることとする改正をご検討いただきたい。

第14条
3 会長は、社員総会の前々日までに、提出されたすべての準備書面を一切改変することなく、会員を対象とするホームページで公開するものとする。

社員総会議事運営規程第7条は、会長が、出席社員の中から議長団として議長1人及び副議長1人をあらかじめ指名することを定めている。
しかし、本来、会長は、社員総会が選任する理事の中から選任され、理事会を通じて社員総会の監督を間接的に受ける立場にある。にもかかわらず、社員総会を采配する議長を会長が指名するのは、主従が逆転しているといわざるを得ない。
そこで、第7条を以下のように改正することを検討いただきたい。

(議長団)
第7条 社員総会の議長は、議長団として、議長1名及び副議長1名から構成され、それぞれ、出席社員の中から社員総会の決議により選任される。議長団の候補者は、社員による自薦または他薦とし、会長は、議長団の候補者を推薦することができる。

社員総会議事運営規程第15条は、議案の決議の方法について、「議長が次の採決方法の中から当該議案に最も適切と考える方法をとって行う。」と定めている。近年の社員総会では、議長が「最も適切と考える」理由を述べることなく、また、社員からの動議を無視して、「(2)拍手」や「(3)挙手」の方法による採決を強行する例が続いている。
しかし、個々の社員の賛否が白日の下にさらされる「(2)拍手」や「(3)挙手」の方法では、社員が他人の目を気にして真意と異なる賛否を投ずる可能性があり適切ではない。「挙手」によった際の集計の方法も不明朗である。
そもそも、議長が採決の結果を予測してその方法を決めるのは、議長は「公正な立場」(議事運営規程第8条)で議事の運営を行わなければならないことに明らかに反する。議長が会長により指名される点、採決の際の写真撮影が事務局以外禁じられている点も合わせ考えれば、現状の採決方法は、会長による社員総会の間接的な支配を許す結果を導いており、主従が逆転しているといわざるを得ない。
そこで、JARLの社員総会の決議は、社員の真意をより正確に把握できる「投票」によるべきである。JARLの社員の定員は138名にすぎないから、投票を採用してもさほど時間はかからず問題はない。
そこで、第15条を以下のように改正することを検討いただきたい。

(決議方法)
第15条 議案の決議は、無記名投票によるものとする。投票の集計作業は事務局が行うが、希望する社員は当該作業に立ち会うことができる。
2 前項の採決は、議決権行使書面の議決権数及び委任状の数を含める。
3 議長は、社員として採決に加わることはできない。ただし、採決の結果、可否同数の場合は、議長の決するところによる。
4 社員総会での議決権の行使は、「本人の出席」、「議決権行使書面の提出」、「委任状の提出」の順で優先することとし、二重に行使しようとした場合は、下位のものを無効とする。

【議案10 電子QSL システムの仕様案の会員への公開及び会員からの意見の募集に関する決議(案)】

賛成であるが、「仕様案」には、電子QSLシステムに要する初期費用、維持費用及び改修・バージョンアップに要する費用の見通しも含められたい。電子QSLシステムを一度始めたら簡単にやめることができないため、その内容によっては、将来に禍根を残すことになるからである。
なお、IARUの執行部(Administrative Council)は、2018年9月12日、ソウルにおいて、電子QSLシステム及びQSLビューローに関する決議(決議18-1)を採択している(以下に抄訳(仮)を掲げる。)。JARLも、IARUのメンバーとして、この決議の趣旨に沿った検討を進めるべきと考える。

「決議:会員連盟は、当該国におけるQSLビューローサービスの提供と他の会員連盟のビューローとのカード交換を続けることが、そうすることが経済的に正当化できる限りにおいて、奨励されます。
さらなる決議:アマチュアは、ビューローシステムに流入する、不要であるまたは配信不能なQSLカードの量を減らす交信確認の方法(電子確認システムの使用を含みますがこれに限定されません。)を採用することが奨励されます。

resolves that member societies are encouraged to continue to offer QSL bureau service in their countries, exchanging cards with the bureaus of other member-societies, for as long as doing so is economically justifiable, and

further resolves that amateurs are encouraged to adopt confirmation practices, including but not limited to using electronic confirmation systems, that reduce the volume of unwanted and undeliverable QSL cards being introduced into the bureau system.」

【議案11 デジタルレピータの通信方式に関するワイヤレスネットワーク委員会への諮問について(案)】

賛成である。無線技術の発展にともない、D-STARの他にも、C4FM、DMRといった様々なデジタル通信方式が登場している。アマチュアが「進歩的」であり「国際的」であるために、これらの技術についても研究を進めることが必要である。
なお、D-STARは我が国発の技術であるが、第1号議案(5)及び(6)に指摘した我が国独特の制度上の障壁から、世界から孤立し、ガラパゴス化しつつある状況である。これらの障壁を取り除く努力をせずに「JARLとしてD-STARを発展させたい」と訴えても空虚である。併せて検討を進めるべきである。

以上

「周波数再編アクションプラン(案)」のパブリックコメントに有志として意見を提出しました。

総務省は、「周波数再編アクションプラン(令和元年度改定版)(案)」について、意見を募集していました(いわゆるパブリックコメント)。
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban09_02000313.html

本サイトの運営者である理事有志7名、社員有志21名、一般会員有志1名は、「 アマチュア無線家有志29名 」として、以下の意見を総務省に提出しました。


【意見1】
「第3章 重点的取組」「II ダイナミックな周波数共用の推進」(6頁)において、「令和2年度までにダイナミック 周波数共用システムを構築する」とあるが、その対象に5.8GHz 帯が含まれている。「III 自動運転及び Connected Car 社会の実現に向けた対応」(6頁)においても「5.8GHz 帯 DSRC(ETC にも用いられている通信方式)の周波数利用の効率化」が謳われている。
5650~5850MHzはアマチュア業務への割り当てられているところ、昨今、廉価なアマチュアテレビ送信機が普及し、ドローンに搭載して地上への動画伝送が行われるなど、活発に利用されている。同周波数帯のアマチュア業務への割り当ては二次業務ではあるものの、昨今、利用が活発化していることに鑑み、ダイナミックな周波数共用の推進にあたっては格段の配慮をお願いしたい。なお、「周波数再編アクションプラン(平成30年11月改定版)」に関するパブコメ結果(http://www.soumu.go.jp/main_content/000584118.pdf)において、「5.7GHz帯について、現時点では、アマチュア業務への割当てを廃止する予定はございません。」と示されていることについても、改めてご確認をお願いしたい。

【意見2】
「VIII 2020 年に向けた電波利用環境の整備」(7頁)中、「2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会で多数の様々な無線システムを使用可能とするための周波数確保」が謳われている。
来日する外国のマスコミ等がアマチュア業務の割当周波数帯において業務局を運用する等の特例が認められると混乱を来すので、避けていただきたい。もしそのような特例が認められるのであれば、事前の十分な周知をお願いしたい。

【意見3】
「第4章 各周波数区分の再編方針」「Ⅰ 335.4MHz 以下」の「具体的な取組」「1 制度整備等」「① 短波デジタル通信[6~26MHz]」(9頁)において、「海外における短波帯のデジタル方式の導入状況等を踏まえ、短波国際通信(固定局) を対象にデジタル方式の導入可能性を検討する。」と述べられている。
アマチュア業務においては、すでに、複数の方式による短波帯におけるデジタル音声通信の実績がある。「D-STAR」は日本アマチュア無線連盟(JARL)が開発したデジタル方式であり、海外では短波帯での運用実績がある。また、「FreeDV」は我が国でも運用実績がある。アマチュア無線界としては、これらの運用実績を踏まえ、短波国際通信(固定局)におけるデジタル方式の導入可能性の検討に貢献する用意がある。

【意見4】
「第4章 各周波数区分の再編方針」「Ⅰ 335.4MHz 以下」の「今後取り組むべき課題」において、「② アマチュア局が動作することを許される周波数帯(バンドプラン)のうちMF帯について、既存の業務用無線の動向等を踏まえ、バンドプラン等の見直しの可能性について、令和元年度に検討を開始する。」と述べられている。
アマチュア無線界として歓迎し、感謝申し上げる。まず1.9MHz帯については、「1,800MHz~2,000MHz」の範囲内でできるだけ広く、特に、昨今急速に普及しているデジタルモードが利用している周波数(WSPR 1836.6 kHz、JT65 1838 kHz、FT8 1840 kHz)を含めるよう拡張をお願いしたい。あわせて、厳密には「MF帯」からは外れるが、3.5/3.8MHz帯の拡大(特に、国際アマチュア無線連合(IARU)第3地域で非常通信周波数に指定されている3.600MHzについては、国際協調の観点から、側波帯も含めて完全にアマチュアバンドに含められるように拡張をお願いしたい。)と、5MHz帯の追加もご検討をお願いしたい。

【意見5】
「第4章 各周波数区分の再編方針」「Ⅰ 335.4MHz 以下」に関し、フランス政府が、”aeronautical mobile service”(航空移動業務)のために、144-146MHz帯を含む複数の新しい周波数を割り当てることを提案しているという情報がある(2023年に開催される世界無線通信会議(WRC-23)の議題とすべく、WRC-19以降に検証を開始することを提案しているとのこと)。
144-146MHz帯はアマチュア業務としてもっとも活発に利用されており、この周波数帯を航空移動業務と共用することは危険であり、非現実的である。仮にこのような提案がなされたときは、我が国として反対の立場をお取りいただくようお願いしたい。

【重要】大矢理事からJARL理事会に11個の決議案が提出されました。

JARLの理事であるJI1DWB大矢浩氏は、2019年7月18日、次回以降のJARL理事会において、決議事項として11個の議案の提案を予定しているとして、以下の決議案を全理事及び監事に送付されました(なお、第7号議案は検討中であり、現時点では欠番とのことです。)。

大矢理事は、「理事・監事以外の方々と相談したり、ご意見をいただくために理事・監事以外の方々に本件議案書を提供すること、ミーティングなどにおいて配布することはOKです。この場合、内容を変更することなく原本のままでご利用をお願いします。」とおっしゃっており、当ホームページで大矢理事の決議案を公開することをご承諾下さいました。以下のリンク先にてご覧いただけます。

議案1 総務省への要望書の提出に関する規定の制定について(案)

議案2 諸外国のアマチュア局免許制度において、アマチュア局を免許する際に当該アマチュア局の無線設備における技術基準適合の確認・証明の有無に関する調査の実施に関する決議(案)

議案3 入会者及び退会者等の分析調査の実施に関する決議について(案)

議案4 2020 年度のアマチュア無線フェスティバル ハムフェア開催に関する決議(案)

議案5 委員会への諮問及び委員会からの答申の適正化を図るための理事会規定及び委員会の設置及び運用に関する規程の改正について(案)

議案6 理事会規定の改正について(案)

議案7 (ご検討中)

議案8 無線局免許状の備付け場所に関する電波法施行規則第38 条第3 項の規定の改正についての決議(案)

議案9 社員総会議事運営規程の改正に関する決議(案)

議案10 電子QSL システムの仕様案の会員への公開及び会員からの意見の募集に関する決議(案)

議案11 デジタルレピータの通信方式に関するワイヤレスネットワーク委員会への諮問について(案)

大矢理事は、JARL規則27条に基づき、「専門分野における学識経験を有し、連盟の業務執行上適当である者」として理事会の推薦を得て理事になられた方です。

私たちJARL理事・社員・一般会員有志は、このようなお立場の大矢理事が、今般、このような提案を理事会にされたことを歓迎・感謝申し上げます。また、ご提案の内容は、いずれも現時点のアマチュア無線界・JARLが抱える課題として極めて重要なものであり、基本的に賛意を表するとともに、有志以外の皆様のご意見も伺いながら、さらに建設的なご提案を建議申し上げる所存です。

本件に関するご意見等ございましたら、「情報提供・ご意見」フォームからお寄せ下さい。

 

「JARL第46回理事会(臨時)」の記録について(続報)

7名の理事(吉沼、木村、種村、安孫子、田中、綱島、前川の各理事)は、髙尾会長及び日野岳専務理事に対し、9名の理事らが欠席したことにより流会となった第46回理事会の議事録を大至急作成し、公開することを申し入れていました

髙尾会長らは、当初、記録の作成自体を拒絶しましたが、最終的には、「第46回臨時理事会不成立について」と題する種村一郎理事名義の文書を内部文書として残すことに応じました。

同文書には、2019年6月23日(日)17時15分に、吉沼、大矢、木村、種村、安孫子、田中、綱島、前川の8名の理事、永井監事、吉井事務局長が出席し、17時30分まで待機するも、理事の出席8名、欠席9名となり、定款48条が定める理事の過半するの出席が得られなかったことから、本理事会招集者種村一郎が第46回理事会の不成立を宣言した旨が記録されています。

欠席したのは、髙尾会長、森田副会長、原副会長、日野岳専務理事、島田理事、渡邉理事、尾形理事、正村理事及び髙橋理事の9名の理事並びに佐藤監事でした。

なお、2019年7月6日付け「「第45回理事会報告」について(訂正申し入れ等)」にて髙尾会長及び日野岳専務理事に対し申し入れたその他の事項(ハムフェア2020について等)については、未だ両氏からは何の反応もありません。動きがありましたらお知らせいたします。