電子QSLの仕様案について会員からの意見聴取、C4FMレピータ等の検討を拒否! (2019年11月JARL理事会詳報)

2019年11月16日(土)及び17日(日)に開催されたJARL第48回理事会の「報告」がウェブサイトで公表されました。

https://www.jarl.com/Page/Login/Login.aspx?Url=rijikai/48rijikai.pdf
(JARL会員のみ閲覧可)

2019年11月20日付け記事でご紹介した大矢理事から提案された議案は、会長ほか8名の反対によってすべて否決されてしまいました。

反対したのは、髙尾会長(全国)、森田副会長(四国)、原副会長(全国)、日野岳専務(推薦)、島田理事(関東)、尾形理事(東北)、正村理事(北海道)及び髙橋理事(信越)の8名です。前回の理事会でも、これら8名の理事は大矢理事の提案議案にほとんど反対票を投じました。

 

議案4-1 電子QSLシステム仕様案の公開・意見募集に関する決議案について

この議案は、電子QSL委員会が検討している電子QSLシステムについて、その仕様案を公開して会員の意見を募集する、というものでした。理事会では、電子QSL委員会の委員長を務める髙橋理事から、「電子QSL委員会の検討状況報告」と題する資料を元にした説明があった後に、審議に入りました。

髙橋理事からは、「会員の意見を聞いていると電子QSLの稼働が遅れるので、議案4-1には反対」との意見が表明されました。有志理事からは、システムを作る以上は使われなければ意味がないので、会員の意見を募集するのは大変重要であるといった意見が述べられました。採決では、大矢理事及び有志理事7名の計8名は会員からの意見募集に賛成しましたが、髙尾会長ほか8名の理事が意見募集に反対し、可決にはなりませんでした。

もっとも、髙橋理事からは、今後の具体的な開発スケジュール等が示されることはなく、本当に「会員の意見を聞いていると電子QSLの稼働が遅れるのか」は不明です。また、外国局に対するQSLカードを電子化するのか、そもそも現在のビューローをどうするか等も全く検討されていません。

有志理事としては、このままでは、あまり使われない無駄なシステムが増え、長期的なコストアップ要因になるだけなのではないかと強く懸念しています。

 

議案4-2 デジタルレピータの通信方式に関するワイヤレスネットワーク委員会への諮問について(案)

本議案に対し、大矢理事及び有志理事7名の計8名は賛成しましたが、髙尾会長ほか8名の理事はこれに反対し、可決にはなりませんでした。

毎年の社員総会でも、デジタルレピータに関する質問・要望が頻繁に出されているにもかかわらず、この議案に否決票を投じた理事は、本当に「会員ファースト」な連盟の運営を考えているのでしょうか。

 

議案4-4 委員会への諮問及び委員会からの答申の適正化を図るための理事会規定及び委員会の設置及び運用に関する規程の一部改正並びに委員会からの中間報告の徹底について(案)

JARLの委員会は、定款66条1項により、理事会を「補佐」するために置かれているものであり、本来、委員会自体が何らかの事業を行うものではありません。11個設置されている委員会の中には、会員・アマチュア無線界のためにきちんとした活動がなされているものと、一部委員の勝手な判断で独善的な運営がなされているものがあるように思われます。しかし、現状では、委員会で何が議論され、何が行われているのか、理事会にすら適切に報告がなされないようになってしまい、ブラックボックス化してしまっています。

この議案は、このような不適切な現状を是正するために、委員会に理事会への報告等最低限の仕事をお願いしようとするものであり、大矢理事及び有志理事7名の計8名は賛成しましたが、髙尾会長、日野岳専務理事ほか8名の理事は、委員会のブラックボックス化を是正することに反対し、賛否同数で残念ながら可決にはなりませんでした。

各委員会の役割は、JARL会員の関心事項に直結するものも多いのですが、それがブラックボックスのままで置かれることが、果たして本物の「会員ファースト」なのでしょうか。

 

議案4-5 理事会運営の適正化を図るための理事会規定の一部改正について(案)

法律上、理事は、理事会にいつでも議案を提出できるのですが、JARLの理事会では、会長の気に入らない議案が握りつぶされることがしばしばあります。また、議案に利害関係のある理事は決議に加わることができない等のルールもあるのですが、このルールも無視されることがあります。

さらに、責任ある理事の立場からは、どの議案にどの理事が賛成・反対したのかが個別に議事録に記録され、公開されるのも当然のことですが、JARLではこれも守られていません。

この議案は、このようなルール違反の現状を是正しようとするものであり、活発な議論がなされました。木村理事は、より慎重な協議を行うため次回理事会での継続審議を提案しようとしたものの、議長を務める髙尾会長が採決に入ることを宣言し、大矢理事及び有志理事6名の計7名は賛成(木村理事は保留)しましたが、髙尾会長、日野岳専務理事ほか8名の理事はこれに反対し、可決にはなりませんでした。

その結果、公式の第48回理事会「報告」には、相変わらず、どの理事が議案に反対したのかが明記されておらず、ルール違反の状況が続いています。ルール違反の是正に反対しながら、自分の名前を出さないのは、責任ある理事の態度といえるでしょうか。

 

議案4-6 理事会へ提案される予算案に積算根拠資料の添付を義務づけるための決議(案)

これは、予算案の各科目の内訳をより明確にし、JARLの運営の透明化を求めるものです。大矢理事及び有志理事7名の計8名は賛成しましたが、髙尾会長、日野岳専務理事ほか8名の理事がこれに反対し、可決にはなりませんでした。

JARLの会計資料の各科目には様々な項目が集約されていて内訳がわかりにくく、例年の社員総会でも社員からの質問が頻出します。JARLは会員からお預かりした会費で運営されており、お金の流れはガラス張りにして会員の皆様に明らかにすることが当然と考えますが、髙尾会長らとしては、透明化すると何か不都合なことでもあるのでしょうか。

 

大矢理事から提案された議案以外の議事について

第8回定時社員総会で社員から出された要望・意見については、前回の理事会で大矢理事から、社員からの要望・意見については全て対応すべきとの意見があり、持ち越しになっていました。今回の理事会では、前回よりは多くの要望・意見について、日野岳専務理事から、会長ら執行部としての見解が報告されましたが、前例踏襲であり、前向きな姿勢は見られませんでした。

・有志理事が監事に報告した「局免切れ正員」問題については、問題状況の報告はありましたが、会長ら執行部からは、具体的な対応策は示されませんでした

 

JARLのこのような実態について、皆様、どのようにお考えになるでしょうか。当ホームページ右上の「情報提供・ご意見」欄からご意見を頂戴できれば幸いです。

有志理事一同

 

2019年11月16・17日のJARL理事会について(議案の内容)

2019年11月16日(土)及び17日(日)に開催された第48回JARL理事会には、大矢理事より、以下の6つの議案が提出されました。

議案4-1 電子QSL システムの仕様案の会員への公開及び会員からの意見の募集に関する決議(案)

議案4-2 デジタルレピータの通信方式に関するワイヤレスネットワーク委員会への諮問について(案)

議案4-3 社員総会議事運営規程の一部改正に関する決議(案)

議案4-4 委員会への諮問及び委員会からの答申の適正化を図るための理事会規定及び委員会の設置及び運用に関する規程の一部改正並びに委員会からの中間報告の徹底について(案)

議案4-5 理事会運営の適正化を図るための理事会規定の一部改正について(案)

議案4-6 理事会へ提案される予算案に積算根拠資料の添付を義務づけるための決議(案)

有志理事7名は、これらの議案はいずれも重要な事項であると考え、概ね一致して賛成しましたが、さて、採決の結果につきましては、近々、JARLから公開されるはずの、公式の「第48回理事会報告」の公表を待つこととします。

前回、2019年9月の第47回理事会報告は、極めて不十分なものでした(ご参照:「総務省への要望書の提出に関する規定」案は否決!(2019年9月JARL理事会詳報))。今回の理事会については、議事の内容を正確に反映した報告が作成・公開されることを期待します。

「局免切れ正員」問題に関する有志理事の見解

一般社団法人日本アマチュア無線連盟の定款第7条第1項は、正員を「電波法に規定するアマチュア局の免許を有する者」と定義していますが、「すでにアマチュア局の免許を失っているにもかかわらず、当連盟の名簿上正員として登録されている者」(以下「局免切れ正員」といいます。)が多数存在し、定款違反に陥っていることが、社員総会等で繰り返し指摘されています。

加えて最近、「局免切れ正員」のコールサインを「再割り当てされた免許人」が、別途実在している事例が複数あることが指摘されました。

当連盟社員である本林氏のブログ:
https://jj1wtl.at.webry.info/201911/article_1.html
https://jj1wtl.at.webry.info/201911/article_2.html
https://jj1wtl.at.webry.info/201911/article_3.html
https://jj1wtl.at.webry.info/201911/article_7.html

すなわち、
・JARL会員局名録に掲載されている、局免切れのライフメンバーと、
・現在実在する、再割り当てを受けた免許人
が、異なってしまっているのです。

このままでは、2020年4月のJARL選挙において、「局免切れ正員」に投票用紙が送られる事象が発生します。本来投票権がないはずの「局免切れ正員」に投票用紙を交付して行われる選挙は、定款に反する選挙です。当連盟の選挙は定款に基づき行われ、会員の意思を連盟の運営に民主的に反映させる極めて重要なものですが、定款に反する選挙は、明らかに、当連盟に著しい損害を及ぼします。

このような定款違反の状態は、当連盟の会員データベースと総務省のデータベースを照合し、不明な場合は当該会員に確認等した上で、局免を喪失している場合は准員に移行させる(当連盟定款第10条第1項)ことにより容易に解消できますし、そうすべきです。

かつて2回、JARLはこのような事態を問題視し、正員からの申告ではなく、連盟が自ら調査することによって、数千人規模の局免許の失効者を洗い出し対処しています。

(1) 2003年調査 6,504件発覚 JARL NEWS 2003年11-12月号p.56
(2) 2012年調査 4,786件発覚 JARL NEWS 2013年夏号p.28(#11理事会報告)

(参考:本林社員のWeb記事『SWLナンバーの怪』の章『『無線局免許情報検索』の功罪』)』 http://motobayashi.net/callsign/untold/swl.html

ことに(2)の調査は、平成24年の選挙の直後に行われました。この調査の結果が「本来は選挙権を持たない5,000人近い会員に投票用紙を渡していた」ことに相当することから、選挙の有効性自体が疑問視されることになりました(いわゆる“理事地位不在確認訴訟”)。なお、この訴訟において下された平成26年9月30日の東京地裁判決は、平成26年の選挙が実施され新理事が選任されたため平成24年選挙の適法性について判断する必要がなくなったとしただけで、平成24年の選挙が適法であったと認めたものではありません。

2012年に行われた最後の整理から7年が過ぎようとしている今、同規模の不具合が再発しているであろうことは、容易に想像できます。来年4月の選挙が行われる前に、是正されるべきです。

なお、今年の社員総会において、日野岳専務理事は、「免許期間の変更については、定款上会員から『届け出る』と規定しており定款どおり運営している」と答弁しましたが、そのような規定は定款にはなく、不適切な答弁でした。

有志理事7名(理事 種村一郎、木村時政、田中透、前川公男、安孫子達、吉沼勝美、綱島俊昭)は、以上の事実を深刻なものと受け止め、とりあえずの措置として、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(以下「社団法人法」といいます。)第85条により、監事2名に以上を報告し、監事から髙尾会長・日野岳専務理事に対し、上記問題を大至急是正するよう求める等、適切な措置を取るよう求めました。

本件について新たな進展がありましたら、随時報告致します。